日商簿記2級をいきなり受けましょう
あなたは、学校の方針や業務命令で、決められた期日までに簿記3級を取得しなければならない立場ですか?それとも自主的に2級を目指していますか?
自主的に目指しているのであれば、最初から2級を受けましょう。
そうすれば、3級の受験料と会場までの交通費が浮きます。浮いたお金は、テキスト代や電卓代に回しましょう。良いテキストと良い電卓を使えば、その分だけ2級の合格に近づきます。
僕自身、2級から受けたので、3級は持っていません。1級については、現時点では必要性を感じていないので、受けていません。
2級は独学で十分に合格できます。僕の周囲でも何名か2級を取りました。みんな独学でした。合格するまでに何回か挑戦した人もいましたが、結果的にみんな合格しました。
分かりやすいテキストがあれば独学でもへいちゃら
良いテキストを入手すれば、合格出来たも同然です。
良いテキストとは、出題区分を必要にして十分にカバーし、理解しやすいテキストのことです。
著名な先生が執筆していたり、難しい単語を使って格調の高い文章で書かれていたりしても、出題されない区分のことが書いてあったり、内容が分かりにくければ、合格には結び付きません。そんなテキストに当たってしまったら、さっさと捨てましょう。
世の中には、良いテキストが何冊もあると思います。でも、全てを買う必要はありません。1つのシリーズを決めて、それに集中して取り組めば、内容の重複もなく、最短で合格に辿りつくことができます。
僕は、TAC出版の関係者ではありません。ただ、以下に示す3冊は良いテキストだったので、オススメします。逆に、この3冊と過去問だけで合格できましたので、他のテキストの優劣は分かりません。
2級からの受験といっても、3級の基礎の上にあります。したがって、3級のテキストから勉強する必要があります。3級のテキストは1冊、2級は2冊です。
3級の受験料を電卓の購入資金の足しにしましょう
電卓は店頭で試し打ちをしてから購入しましょう
良い電卓を買いましょう。先ずは所有欲が満たされます(笑)
本当の目的は、打ち間違えを最小限にすることです。
僕は、CASIOのDS-20DTというデスクタイプを購入して2級の試験に臨みました。
機種の選択理由は3つあります。第1の理由は、電卓名人の重原佐千子さんが動画の中で使っていたことです。第2の理由は、PCのテンキーと同様に、0キーの位置が1キーの真下にあり、違和感がなかったことです。第3の理由は、店頭で試し打ちをしたとき、打鍵感が最もしっくりきたからです。
実務電卓は5,000円~8,000円くらいします。3級の受験料と交通費ではまかないきれませんが、足しにはなります。
左手で打つという選択肢もあります
実は、2級合格後、電卓を買い足しました。デスクトップでの作業や簿記の試験ならともかく、持ち運びや他の資格試験には大きすぎたからです。
買い足した機種はCASIOのJS-20WSというジャストタイプです。この機種の最も優れている点は、余計な機能が付いていないこと。すなわち、検算機能、時間計算機能、税計算機能などが一切付いていません。よって、電卓持ち込み可なら、臆することなく、全ての資格試験に持っていくことができます。それでいて、本格実務電卓なので、打鍵感は良好です。
0キーの位置が1キーの左下になっている違和感については、左手打ちで対応しました。左手は0キーの位置をそもそも知らなかったので、何の問題もありませんでした。
今、再び2級を受けるとして、デスクタイプとジャストタイプのどちらかを選べと言われたら、ジャストタイプを選びます。
※JS-20WSは2018年夏ころから販売中止になってしまったようです
電卓を使う練習をしましょう
電卓を使う速度は、簿記の問題を解くだけでも速くなります。ただ、勉強のウォーミングアップも兼ねて勉強前に別途練習すると、ミスタッチが少なくなり、打鍵速度も確実に速くなります。
全国商業高等学校協会のホームページに珠算・電卓実務検定試験の過去問題が載っているので、僕はそこから「乗算・除算」、「見取算」のPDFファイルを印刷させていただいて、練習していました。
毎日同じ問題を解いても良いそうです。間違えるところは大抵いつも同じところで、間違えなくなったら別の問題を印刷していました。
勉強方法はテキストに書いてあることをそのまま実行するだけでした
勉強方法は、前述のテキストの「簿記の学習方法と合格までのプロセス」のページに書いてありました。
すなわち、次の方法です。
- テキストを読む
- テキストを読んだら問題を解く!
- もう一度、すべての問題を解く!&チェックテストを解く!
- そして過去問題集を解く!
これを順序どおり実行しただけです。それ以上でも以下でもありません。
工業簿記も身構える必要はありません。商業簿記と同様にテキストを読んで、問題を解くだけです。
先に学んだことを忘れても大丈夫です。間違えたらテキストを読みなおせば思い出します。
過去問は時間を測りながら解きましょう
資格試験に限らず、過去問が入手できる試験は、過去問をできるだけ多く解き、間違えたところを何回もやり直して、解けるようにすることで、合格圏に達することができます。僕は、テキストと同じTAC出版の問題集を使いました。
- TAC簿記検定講座:合格するための過去問題集日商簿記2級、TAC出版
TAC出版では、「過去問題を回数別に解きたい方」用の問題集と「過去問題を出題パターン別に解きたい方」用の問題集が準備されており、ここで紹介したのは前者です。前者をオススメする理由は、時間を測りながら1回分を解くことで、解答するペースを把握するためです。
出題区分を満遍なく勉強することが一発合格の近道です
余裕があれば、予想問題を解くのも良いでしょう。でも、必ず出るという保証はありません。それよりは、テキストをもう一巡して、不確実なところを強化した方が得点率・合格率が高まります。
僕は、134回の試験に合格しました。合格率は、13.9%でした。
前述の合格するまで何回か挑戦した人は、過去問を中心に勉強していて、その回は不合格でした。直近の過去問には出ていなかった目新しい問題が出たので、「何で俺が受験する時に、見たことのない問題がでるかな~」と言っていました。しかし、テキストにはちゃんとその区分がおさえられていました。テキストベースで勉強していれば、出題の表現はやや異なったものの、対応できない問題ではありませんでした。
マイペースを守って勉強しましょう
勉強時間とスケジュール
受験を強要されていないのであれば、自分のペースで勉強しましょう。競争する必要はありません。
簿記の問題は、クイズみたいなので、楽しみながら勉強すれば良いと思います。
僕は、毎日必ず机に向かっていました。でも、勉強時間のノルマやスケジュールを立てることはしませんでした。ただし、前日より1ミリでも前に進むということを日課にしていました。遊びや仕事で疲れて帰っても、最低限、電卓の練習は欠かしませんでした。
受験のタイミング
簿記の試験は、1年間に3回受けられます。
勉強を進めると、テキストと問題集が仕上がる時期が分かってきます。知識と技能が最も充実する時期に合わせて受験申請しましょう。
先に試験を申し込んでしまって、それに間に合わせようとすると、勉強が雑になったり、区分が抜けたりしてしまいます。そのような状態で不合格になった場合、抜けた区分を改めて勉強し直すでしょうか?僕だったら、その区分も勉強した気になってしまい、勉強し直さないと思います。そうすると、いつまでも克服できない弱点になってしまいます。
点数さえ取れば合格できますし、試験内容は分からないのですから、合格率のトレンドを気にする必要はありません。
試験体験記
動機
僕はメーカの技術職なので、簿記2級を取得したからと言って、給料面で優遇されたり、表彰されたりすることはありません。
ただ、定年後に独立したいと思っていて、その際に、自分で経理作業をしたり、財務諸表を読み書きしたりしたいので、自主的に取得を目指しました。
勉強期間
勉強に費やした期間は半年くらいでした。
問題を2回連続で正解するようになったら理解できるようになったと判断しました。
試験当日の状況
簿記の正解は基本的に1つです。よって、満点が狙える試験です。僕は満点を取るつもりで臨みました。
よく、70点で合格できる試験なら75点を狙えばいいようなことが書いてある受験指南書を見かけます。でも、それは、東大に入れるような人が、難易度が安定している試験を受けたときに、はじめて実現できる方法だと思います。普通の人は、満点を狙って挑戦するものの、ケアレスミスや初見の問題によって失点し、合格圏内に留まるということなのだと思います。
試験当日、社会人と学生で、部屋を分けられていたようです。
社会人の部屋では、小さな電卓を持っている人は皆無でした。ほとんどの人は12桁の電卓だったと思います。機種はまちまちでした。
学生時代は、日常的に試験を受けていたので、時間が足りないときを除いて、試験で緊張することはありませんでした。でも、社会人になってから試験を受ける機会がほとんど無かったので、試験開始から10分くらいは、手が震え続けていました。これが試験で緊張するということなのかと、初めて思いました。
やたらと早く答案を提出して帰る人もいました。僕はその時点で半分くらいしか解けていなかったので、ちょっと焦りました。でも、競争ではないと考え、見直しを含めて試験終了まで目いっぱい粘りました。
当日は、難しい問題が出題されましたが、手応えはありました。
合格発表
ホームページで合格を確認してから、商工会議所に合格証書を取りに行きました。その際に、点数を聞くことができました。
まとめ
良いテキストと電卓を入手し、テキスト2巡と問題集を解くことで、必ず合格できます。計算は電卓がやってくれるので、ミスタッチをしないように練習しましょう。