現代語 古事記 | 書評

星4つ

この本は、古事記を分かりやすく現代語に訳してある。

しかし、訳の中に解説が混在している個所があったり、文章が表形式に変更されている個所があった。それが気になったため、星の数を一つ減らして4つとした。

選定理由

街中を歩いていると、神社が所どころにある。神社にはたいてい縁起が書いてある。しかし、神様の個性を知らないので、いまいちピンとこなかった。そこで、古事記を読むことにした。古事記を読めば、天満宮や東照宮のような比較的最近の神様を除き、昔からの神様について一通り学ぶことができると考えた。

内容概略

天地の始まりから推古天皇の時世までの出来事。

有用度

本書を読んで分かったことを書き始めるときりがない。

最もためになったことは、須佐之男命(すさのおのみこと)と倭建命(やまとたけるのみこと)との区別が明確になったことである。性格が似ているため、いままでは混同していた。また、倭建命については、後述するように、足跡を残した場所を何か所か訪れたことがあったので、特に身近に感じた。

次に、人間や天皇に寿命がある理由が分かった。前者は、伊耶那美神(いざなみのかみ)が伊耶那岐神(いざなきのかみ)に離別を言い渡され、その腹いせのためである。後者は、神武天皇の曽祖父の邇邇芸命(ににぎのみこと)が、美しい木花佐久夜毘売(このはなさくやびめ)とだけ結婚し、醜い石長比売(いわながひめ)を親元に送り返したためである。生物学的に考えれば、これらの話は紛れもなく創作話である。しかし、歴代の日本人が受け継いできた人生観なのである。それを遅まきながらも知ることができて良かった。

また、海幸彦・山幸彦の話は知っていた。しかし、山幸彦(=火遠理命(ほおりのみこと))の孫が神武天皇であることを初めて知った。さらに、山幸彦の妻である豊玉毘売(とよたまびめ)は八尋和邇(やひろわに)であった。天皇の祖先が和邇であったなんて書いてしまってよいものだったのだろうか。それとも、当時の和邇は、龍のような高貴な伝説上の生き物で、あやかりたいと感じたためであろうか。

現代語訳は分かりやすく、ところどころに織り交ぜてある解説コラムも有用である。

ただ、訳の中にも解説や意見を混ぜて欲しくはなかった。著者が「はじめに」で述べているように、「原文を省略せず、できるだけ全文を現代語に翻訳する」ことを守って欲しかった。

実生活への応用

今後神社を訪ねる場合、より深い理解が得られる。

その他

古事記の中に、訪れたことのある地名がいくつか出てきた。

書評というタイトルから外れてしまうものの、参考までに写真とともに掲げておく

出雲大社

島根県出雲市の出雲大社は、国を譲った大国主神を祀っている。

訪れた時は60年振りの大遷宮であった。その時は、Gパンをはいていたため、神様に失礼だとのことで中に入れてもらえなかった。

地面に直径1.4mの柱を3本束ねた宇豆柱の跡が示されていた箇所があった。しかし、写真を撮り忘れてしまった。

宇豆柱の実物は古代出雲歴史博物館に展示されている。また、同博物館には古事記の複製が展示されていて、それを見ると厳粛な気持ちになった。

草薙神社大鳥居

草薙神社大鳥居

草薙神社大鳥居

静岡県静岡市の草薙神社の祭神は日本武尊である。草薙神社を訪れた訳ではないが、この鳥居は旧東海道沿いにあり、前を通った時に撮影した。

三種の神器の1つである天叢雲剣が草薙剣と呼ばれるようになった舞台である。

酒折宮

酒折宮参道

酒折宮参道

山梨県甲府市の酒折宮は、「新治 筑波を過ぎて 幾夜か寝つる」(新治、筑波を出てから今まで幾晩寝ただろうか?)という日本武尊の問いかけに、老人が「日々(かが)並(なべ)て 夜には九夜(ここのよ) 日には十日を」(数えてみると夜間は9日、昼間は10日です)と答えた連歌発祥の地とされています。

熱田神宮

熱田神宮正門第一鳥居

熱田神宮正門第一鳥居

熱田神宮は

書籍情報

竹田恒泰:現代語 古事記 ポケット版、学研プラス、2016、ISBN978-4-05-406454-6

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