この本から何点か得るところはあります。しかし、理系の人間から見ると、つっこみどころ満載の本です。
為になった点
先ず、為になった点を挙げます。
第1に、スライドに必要な6つの構成要素が挙げられている点です。すなわち、①メッセージ、②グラフ/チャート・表のタイトル、③グラフ/チャート・表、④脚注、⑤出所、⑥ページ番号、です。これについては、素直に従おうと思います。
第2に、グラフ/チャートの使い方です。確かに、示されたグラフ/チャートは、経営層を説得するために有効そうです。大いに参考になりました。
第3に、僕の知らなかった法則等が示されていることです。①リチャード・ワーマンの「5つの帽子掛け」、②プレグナンツの法則、③グーテンベルクダイヤグラムなどです。
つっこみどころ
でも、この辺りにもつっこみどころがあります。
グーテンベルクダイヤグラムでは、「強い休閑領域」と「弱い休閑領域」があるとのことです。「強い」「弱い」という言葉を出したからには、違いや注意点を示すべきだと思います。僕はそこが知りたいです。でも、深い議論はされていませんでした。
そもそも、スライドには出所を示さなくてはならないとしておきながら、本文のグーテンベルクダイヤグラム等については、出所を示さなくて良いのでしょうか?
出所という点では、最初のページから気になる記述があります。
「日本では組織内における資源動員の下手さが挙げられています」の出所はどこなのでしょう。出所を書くのは信頼性の担保とのことですが、この文に関しては信頼性を担保しなくてもいいのでしょうか?文献から引いてきたのであれば、著作権にも配慮が必要です。
その他、主語が無くて意味が分からない文があったり、「実数値」を「生データ」の意味で使っていたりするなど、細かく見れば、本当にいくらでもつっこむことができます。
重要なこと
でも、重箱の隅をつつくことが重要なのではなく、定性的に要点をつかんで実践することが重要なのだと理解して、今後の仕事に活用していきたいと思います。
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