PCを使って情報カードに文字をきれいに印刷してみましょう。
ソフトウェアとしては、パワーポイントを使います。
情報カードをPCで印刷することのメリット
カードの作成時間を短縮できる
ここ数年、情報カードを使って情報を集めています。
手書きも良いですが、作成時間が結構かかります。
鉛筆で書くと貧弱な感じがしたり、読みにくかったりします。ボールペンや万年筆で書くと、間違えた時の修正が面倒です。
手書きの方が、記憶に残り易いとか、アイデアが出易いと言われます。でも、手書きで書いても忘れるときは忘れるし、アイデアが必ず出るものでもありません。
情報カードの草分け的存在である梅棹忠夫氏もタイプライタを使っていましたので、PCで情報カードを印刷しても悪いことではないでしょう。
僕は、書く内容が決まっている場合、キーボードを打つ方が、速いです。
あなたも丁寧に手書きをするより、キーボードを打つ方が、速くないですか?
コピー&ペーストが使える
手元に情報カードが無いときに、PCやスマホにメモを残しておくことはありませんか?
このようなメモをコピー&ペーストすることにより、カードを手軽に作ることができます。
表現の方法が文字だけではなくなる
手書きより、タイプした文字の方が断然読み易くなります。
さらに、絵やグラフを入れることができます。着色も自由ですので、表現の幅が広がります。
持ち運ぶことが容易
電子化されたデータは、量が増えても重さが変わりません。
PDF化するなどして、スマホで持ち歩くことも容易です。
満員電車の中で、カードを繰ることもできます。
情報カードをパワーポイントで作成することのデメリット
情報カードは、紙媒体として、並べたり組み合わせたりすることによって、威力を発揮すると言われます。よって、紙に打ち出す機会は多かれ少なかれ生じることでしょう。
紙に打ち出すためには、プリンタを準備する手間がかかります。当然ながら、インク代や電気代もかかります。
パワーポイントのスライドマスタを使って情報カードに印刷する
僕がパワーポイントを使う理由は、スライドマスタを使うことによって、情報カードの所望の位置に文字を印刷することができるからです。
活字で文字がきれいになっても、行から文字がはみ出したら興醒めですよね?
また、Excelのように、画面では文字が見えているのに印刷されないこともありません。
※プリンタの印刷領域外にデータがある場合を除きます
スライドマスタの作り方
以下の設定は例です。適宜あなたの好みの値に変えて下さい。
そもそも僕と異なる情報カードを使っている場合には、参考にしかなりません。また、フォントは、あなたのPCにインストールされていない場合もあります。そのあたりは、柔軟にご対応ください。
僕が今回使ったパワーポイントのバージョンは、2007です。バージョンによって、操作がいくらか異なるかもしれません。
スキャナで情報カードをスキャンする
まず、あなたが日頃使っている情報カードを1枚取り出し、スキャナでスキャンします。
僕はコレクトの「補助8ミリ罫」NO.C-2608 B6判を使っています。
カメラで撮ると歪みますので、スキャナがある場合はスキャナをお使いください。
スキャンしたら、GIMP等のソフトを用いて周囲をトリミングし、かつ、ピクセル数を910×640など、182[mm]×128[mm]の縦横比に合わせます。
処理が終わったら、画像ファイルとして保存します。僕はpngで保存しました。
パワーポイントを立ちあげて、スライドマスタの不要なレイアウトを削除する
- パワーポイントを立ちあげる
- 「表示」→「スライドマスタ」→「スライドのサイズ」→「ユーザー設定のスライドのサイズ」
- 「幅」を「18.2cm」、「高さ」を「12.8cm」に設定→「OK」
- 左側のサムネイル欄で、消せない大小1つずつのレイアウトを残して、その他を「Del」キーで削除
スライドマスタの設定
- 左欄の一番上にある一回り大きいスライドマスタを選択
- 「マスタタイトルの書式設定」を選択する
- メニューから「書式」タブを選ぶ
- サイズ欄で、高さを1.6cm、幅を14.5cmにする
- メニューから「ホーム」タブを選ぶ
- フォントから「HGP教科書体」「24」を選ぶ
- フォントの色→「その他の色」→「ユーザ設定」→赤25、緑85、青166 →「OK」
- メニューの「段落」欄で「左寄せ」「上下中央」にする
- 「マスタテキストの書式設定」を選択する
- フォントから「HGP教科書体」を選び、「22」をタイプする
- フォントの色を→赤25、緑85、青166とする
- 「段落」→「行間」→「行間のオプション」
→段落前「0 pt」、段落後「0 pt」、行間を「固定値」、間隔を「22.7 pt」にする
※8mmの場合、8[mm]/25.4[mm/in]*72[pt/in]≒22.7[pt]
レイアウトの設定
- 「スライドマスタ」タブ→「レイアウトの挿入」
- 日付、フッター、ページ番号のプレースホルダを選択して削除
- 「挿入」タブ→「図」で、スキャンした情報カードの画像を選ぶ
- 情報カードの画像が画面サイズと一致することを確認する
- 画像を右クリック→「最背面へ移動」→「最背面へ移動」
- 「スライドマスタ」→「プレースホルダの挿入」→「テキスト」
- 画面上で適当にドラッグするとプレースホルダになる
- 「書式」タブ→高さを8.8cm、幅を16.7cmにする
- 今挿入したプレースホルダが本文用に用意された行に収まるように移動させる
- 「マスタタイトルの書式設定」を選択し、右上の領域に移動させる
※位置を調整する際には、矢印キーを使うのが便利です。Ctrlキーと一緒に使うと微調整もできます - 日付用、時間用のプレースホルダ(テキスト)をそれぞれ作成する
- これらのプレースホルダのサイズを高さ0.8cm、幅3.1cm、フォントを16 ptとする
- 日付、時間用のプレースホルダにそれぞれ「8888-88-88」、「88:88」などとタイプする
- サブタイトル用のプレースホルダ(テキスト)を作成する
- プレースホルダのサイズを高さ1cm、幅16.7cm、フォントを18 ptとする
- サブタイトル用のプレースホルダに「サブタイトル」などとタイプする
- 日付、時間、サブタイトル用のプレースホルダのフォント色を赤25、緑85、青166に変え、表示位置を調整する
情報カードの画像無しマスタを作っておく
重要な点が一つあります。
情報カードの画像を削除したマスタを作っておくということです。
このマスタを使うと、プリンタで印刷する際に、罫線が印刷されることが無くなります。
- 左側のサムネイル欄で、作成が完了したレイアウトをコピーします。
- コピーしたレイアウトにおいて、最背面にある情報カードの画像を「選択」→「削除」
マスタ表示を閉じる
ここで、マスタ表示を閉じます。
- 「スライドマスタ」タブ → 「マスタ表示を閉じる」
スライドマスタがほぼ完成したので、テンプレートとして保存します。
印刷
実際にカードを1、2枚作ってみて、印刷してみましょう。
まず、情報カードの画像があるマスタを用いてテスト原稿を作ります。
僕が使っているカードは本文が11行あるので、11行を埋めます。
次に、「ホーム」→「レイアウト」をクリックすると、テーマが選べますので、情報カードの画像を取り除いたテーマを選びます。
ここで、注意しておきたいことは、空白になっているプレースホルダが1つでもあると、正常に動作しません。半角スペース1つでも打っておく必要があります。
これで、罫線がなくなりましたので、情報カードに文字だけを印刷することができます。
僕のプリンタにはB6の設定はなかったので、「ユーザー定義用紙」を選び、幅128mm、長さ182mmに設定して印刷しました。
印刷後の確認
印刷ができたら丁寧に確認しましょう。字が書けてしまうところが無いか、行をはみ出すところが無いか、パンチ穴に干渉しないか、読みやすいフォントか、目に優しい文字色か等を確かめましょう。不都合があれば微調整しましょう。
僕は、初め、タイトルはゴシック体、本文は明朝体を使うと読みやすいと思っていました。しかし、タイトルも明朝体の方が読みやすいようです。太字にもしない方が良いみたいです。
フォントの色は、僕が普段、万年筆で使っているロイヤルブルーにしました。
ただ、印刷すると、実際の万年筆より薄いです。もう少し濃くても良いかもしれません。
Microsoftへの使い勝手の改善のお願い
今回、パワーポイント2007でスライドマスタを作り、以下のような要求を覚えました。最新のバージョンでは、既に修正されているところもあるかもしれませんが、一応、挙げておきます。
- パワーポイントでTabボタンを押したときに次のスペースホルダに飛んで欲しいです
パワーポイントは、Tabでインデントができるので、CtrlかAltとの同時押しの場合でも良いです。Tabが使えると仕事が捗ります。 - Excelと連動して、日付はA列、時間はB列、タイトルはC列、サブタイトルはD列、本文はE列などとして、相互に変換して欲しいです
まとめ
パワーポイントを用いて情報カードに、きれいに印刷することができました。
手書きより、断然読みやすいカードになりました。
【2020/09/05追記】
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