前の記事で、周期関数におけるフーリエ級数について述べました。ここでは非周期関数まで一般化したフーリエ変換について述べます。
フーリエ級数の書き換え
フーリエ変換は、フーリエ級数から拡張します。
まず、フーリエ級数は、次のように表されました。
ここで、フーリエ係数は次のようになります。
ここで、同じ周波数で、余弦波と正弦波をまとめることを考えます。周波数をまとめることで、数学的に扱いやすい
という形が得られます。また、
が負の領域まで広がり、正負の周波数で対称的に美しく扱うことができるようになります。
ただし、です。手を動かしてみると、虚数が相殺される組み合わせの妙が味わえますので、試してみて下さい。
係数は、
と
から求められますが、直接求めることもできます。
その準備として、
を考えてみます。
先ず、のとき、
です。直交していて、積分値は0になるんですね。次に、のとき、
となります。つまり、に対する係数を得たい場合は、その共役である
をかけて積分し、周期で割れば良いことが判ります。
よって、
です。
係数が求まったので、フーリエ級数を書き下してみます。
現時点では周期関数を考えているので、積分区間をから
に変えても変化しないことを利用しました。また、
であることも使っています。
フーリエ変換へ
最後の式において、とすると、角周波数
となるので、右辺を積分に書き換えることができます。すなわち、
と書くことができます。ここで、右辺の中央にという関数があり、左辺も
という関数です。つまり、この式の中で、変換と逆変換が行われています。それらを分けて書くと、
がフーリエ変換となり、
がフーリエ逆変換になります。
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