高周波回路の基本であるRC回路の過渡応答について述べます。
RC回路の過渡応答
今、図のような抵抗とキャパシタ
からなる回路があったとき、この微分方程式は
で表わされます。
これを解いてみます。
まず、十分に時間が経過した後の状態を示す解、すなわち定常解は、時間変化する項を消して考えればいいので、
となります。
次に斉次方程式を解いて過渡解を求めます。斉次方程式はを含んだ項だけを抜き出して、
です。移項して、で両辺を割ると、
です。変数分離して積分すると、
なので、
です。ただし、は積分定数です。
すなわち、
となります。ただし、です。
よって、過渡解と定常解を合わせると、
です。
ここで、境界条件として、のとき、
とすると、
となります。
回路を設計する際には、キャパシタの両端に発生する電圧を議論することが多いので、この値を求めると、
となります。
さらに、は時間の単位となるため、これを
と置いて、
という形もよく見かけます。を時定数と呼びます。時定数が大きいと、過渡に要する時間が長くなります。
おまけ(RCが時間の単位である理由)
抵抗のインピーダンスは
です。
一方、キャパシタのインピーダンスは
です。
よって、のディメンションは、
の逆数である
(ジーメンス)です。ここで、
であり、
のディメンションは時間の逆数である
です。すなわち、
となり、結局
となるので、時間の単位であることが示せました。
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