購入前の英語のレベル
学生時代、英語が苦手でした。
中一の時、英語の先生が教えるスピードが速すぎて、とてもついていけず、始めっから落ちこぼれてしまいました。でも、同じ先生から教わった人の中に英語が良くできる人もいたので、僕には適性がなかったのでしょう。
特に、苦手だったことは、単語を覚えることでした。
文書の中で覚えた方が良いとか、書いて覚えろとか、いろいろ助言されました。でも、どの方法でも結局覚えられませんでした。とにかく苦痛でした。
単語が分からないので、長文読解なんて、何が書いてあるのか見当もつきません。大学入試の長文読解も、通して読んだことは一度もなく、問題の傍線が引かれている周辺だけ読み、山勘で回答を選んでいました。よくもまぁ、入れてくれた大学があったと思います。
百式英単語との出会いと本の購入
幸い(?)なことに、仕事で英語を使う機会はほとんどないので、日常的な不自由は感じていません。でも、テレビで、外人が英語でしゃべっていることを聞き取りたいなぁと思うことがあり、苦痛を伴わないのであれば、英語を勉強してもいいかなぁと常々考えていました。
そんな時、何かのきっかけで、百式英単語の動画を見かけました。
始めは読み方もままならなった女性が、一週間後には100個の単語の訳をスラスラと答えていました。しかも、反射的に回答していました。
英単語をこじつけで覚えると、こじつけを思い出すのに時間がかかってしまいます。ヒヤリングするなら、意味を反射的に思い出せなければ、実用的ではありません。
「ヤラセかもしれない。でも、騙されたとしても本の代金くらいなら許せるかな。本当だったら儲けもの」と思い、本屋さんに本を買いに行きました。
百式英単語の使い方
この本は単語帳ですが、前半は単語の覚え方のテキストであり、使い方が詳しく書いてあります。
一週間に100個のペースで覚えます。
英単語を選んだら、「エントランス、入り口、エントランス、入口、センス、感覚・意味・正気、センス、感覚・意味・正気、…」のように英単語と日本語訳をペアにして、20分音読します。大分覚えてきたら日本語を隠して音読します。要約すると方法はこれだけです。
百式の効果
一日目の音読では何も変わりません。本当に覚えられるの?という感じ。
二日目も三日目も四日目も余り覚えたという実感はありません。でも、次第に口が回ってきて、読み易くなってきます。五日目になると日本語を隠して言える言葉が出てきます。七日目で100個覚えられるということになっていますが、僕の場合、九日かけても完全に覚えるのは無理でした。でも、辛くはないし、8~9割は覚えられました。動画はヤラセではなかったと断言できます。
覚えられなかった1~2割の単語は次週に回していました。
中学2年生くらいの時に、この本に出合いたかったなぁ。
適用範囲
大学受験するわけではないので、時間には余裕があります。先ずは百式英単語を全て終わらせました。
方法が分かったので、往年の名著、「試験にでる英単語」も終わらせました。あれだけ何度も挫折した本なのに、百式では苦になりませんでした。一通りの単語の意味を覚えると、巻末の語源表もリンクしてきて、さらに単語が覚えやすくなります。
感想
当初、上から順番に読んでいくので、書いてある位置で覚えてしまうと思っていました。でも、覚えられない単語は位置がどこであろうとなかなか覚えられず、その心配はありませんでした。
品詞は書いてありません。でも、日本語訳から品詞を想像することはあまり難しくありません。
カナがふってありますが、発音記号も書いてあります。万人向けです。
声を出すのは、当初、ちょっと恥ずかしいですね。
今は、続けていませんが、他の言語にも応用は可能だと思います。ただ、スペリングは学べないので、英作文のためには何度か書く練習が必要になることでしょう。
インターネットで調査すれば、百式のような記憶方法はどこかに書いてあると思います。
ただ、この本は、まとめて体系化してくれていたので、僕にとっては有益でした。お金を払う価値があると思える本です。
太田義洋:百式英単語 最速インプット→2023、西東社、2008、ISBN-13: 978-4791624072
【参考】森一郎:試験にでる英単語 ― 実証データで重大箇所ズバリ公開、青春出版社、1997, ISBN-13: 978-4413002974