FパラメータをSパラメータに変換する

FパラメータをSパラメータに変換します。
同様の手順で、ZパラメータやYパラメータもSパラメータに変換できるはずです。

FパラメータからSパラメータへの変換

Fパラメータ

Fパラメータ

Fパラメータは、次のように表されます。ただし、i_2の向きに注意します。

    $$ \begin{pmatrix}v_1\\ i_1\end{pmatrix} =\begin{pmatrix}A & B \\C & D \end{pmatrix} \begin{pmatrix}v_2\\ i_2\end{pmatrix}\eqno(1) $$

Sパラメータ

Sパラメータ

Sパラメータは、次のように表されます。

    $$ \begin{pmatrix}b_1\\ b_2\end{pmatrix} =\begin{pmatrix}S_{11} & S{12} \\ S_{21} & S_{22} \end{pmatrix} \begin{pmatrix}a_1\\ a_2\end{pmatrix}\eqno(2) $$

ここで、a_iは入力波、b_iは出力波です。これらは、V/\sqrt\Omega又はA\sqrt\Omegaのディメンションを持ち、二乗すると電力になる物理量です。

パラメータ変換するには、viを消したいので、これらをabで表すと、ポート1、ポート2の特性インピーダンスをそれぞれZ_1Z_2として、

    $$ v_1=\left(a_1+b_1\right)\sqrt{Z_1}\eqno(3) $$

    $$ v_2=\left(a_2+b_2\right)\sqrt{Z_2}\eqno(4) $$

    $$ i_1=\frac{a_1-b_1}{\sqrt{Z_1}}\eqno(5) $$

    $$ i_2=\frac{-a_2+b_2}{\sqrt{Z_2}}\eqno(6) $$

となります。

(3)~(6)を(1)に代入すると、

    $$ \begin{pmatrix}\left(a_1+b_1\right)\sqrt{Z_1}\\ \frac{a_1-b_1}{\sqrt{Z_1}}\end{pmatrix} =\begin{pmatrix}A & B \\C & D \end{pmatrix} \begin{pmatrix}\left(a_2+b_2\right)\sqrt{Z_2}\\ \frac{-a_2+b_2}{\sqrt{Z_2}}\end{pmatrix} $$

となります。

行列のまま計算することもできると思いますが、複雑になるので、成分ごとに計算します。

すなわち、

    $$ \left(a_1+b_1\right)\sqrt{Z_1}= A\left(a_2+b_2\right)\sqrt{Z_2}+B\cdot\frac{-a_2+b_2}{\sqrt{Z_2}} $$

と、

    $$ \frac{a_1-b_1}{\sqrt{Z_1}}= C\left(a_2+b_2\right)\sqrt{Z_2}+D\cdot\frac{-a_2+b_2}{\sqrt{Z_2}} $$

に分けます。

ここで、b_iを左辺、a_iを右辺に集めると、

    $$ \sqrt{Z_1}\cdot b_1+\left(-A\sqrt{Z_2}-\frac{B}{\sqrt{Z_2}}\right)b_2= -\sqrt{Z_1}\cdot a_1+\left(A\sqrt{Z_2}-\frac{B}{\sqrt{Z_2}}\right)a_2 $$

    $$ -\frac{1}{\sqrt{Z_1}}\cdot b_1+\left(-C\sqrt{Z_2}-\frac{D}{\sqrt{Z_2}}\right)b_2= -\frac{1}{\sqrt{Z_1}}\cdot a_1+\left(C\sqrt{Z_2}-\frac{D}{\sqrt{Z_2}}\right)a_2 $$

になります。

これを行列に直すと、

    $$ \begin{pmatrix}{\sqrt{Z_1}} & {-A\sqrt{Z_2}-\frac{B}{\sqrt{Z_2}}} \\{-\frac{1}{\sqrt{Z_1}}} & {-C\sqrt{Z_2}-\frac{D}{\sqrt{Z_2}}} \end{pmatrix}\begin{pmatrix}b_1\\ b_2\end{pmatrix} =\begin{pmatrix}{-\sqrt{Z_1}} & {A\sqrt{Z_2}-\frac{B}{\sqrt{Z_2}}} \\{-\frac{1}{\sqrt{Z_1}}} & {C\sqrt{Z_2}-\frac{D}{\sqrt{Z_2}}} \end{pmatrix} \begin{pmatrix}a_1\\a_2\end{pmatrix} $$

となるので、左辺の行列の逆行列を左からかけると、

    $$ \Delta=\frac{1}{A\sqrt{\frac{Z_2}{Z_1}}+\frac{B}{\sqrt{Z_1 Z_2}}+C\sqrt{Z_1 Z_2}+D\sqrt{\frac{Z_1}{Z_2}}} $$

とおいたとき、

    $$ \begin{pmatrix}b_1\\ b_2\end{pmatrix} =\frac{1}{-\Delta}\begin{pmatrix} {-C\sqrt{Z_2}-\frac{D}{\sqrt{Z_2}}} & {A\sqrt{Z_2}+\frac{B}{\sqrt{Z_2}}} \\{\frac{1}{\sqrt{Z_1}}} & {\sqrt{Z_1}} \end{pmatrix}\begin{pmatrix}{-\sqrt{Z_1}} & {A\sqrt{Z_2}-\frac{B}{\sqrt{Z_2}}} \\{-\frac{1}{\sqrt{Z_1}}} & {C\sqrt{Z_2}-\frac{D}{\sqrt{Z_2}}} \end{pmatrix} \begin{pmatrix}a_1\\a_2\end{pmatrix} $$

となり、

    \footnotesize\begin{align*} \begin{pmatrix}b_1\\ b_2\end{pmatrix} =\frac{1}{\Delta} \begin{pmatrix}{A\sqrt{\frac{Z_2}{Z_1}}+\frac{B}{\sqrt{Z_1 Z_2}}-C\sqrt{Z_1 Z_2}-D\sqrt{\frac{Z_1}{Z_2}}} & {2\left(AD-BC\right)} \\{2} & {-A\sqrt{\frac{Z_2}{Z_1}}+\frac{B}{\sqrt{Z_1 Z_2}}-C\sqrt{Z_1 Z_2}+D\sqrt{\frac{Z_1}{Z_2}}} \end{pmatrix} \begin{pmatrix}a_1\\a_2\end{pmatrix} \end{align*}\normalsize

となるので、結局、

    \footnotesize\begin{align*} \begin{pmatrix}{S_{11}}&{S_{12}}\\{S_{21}}&{S_{22}}\end{pmatrix} =\frac{1}{\Delta} \begin{pmatrix}{A\sqrt{\frac{Z_2}{Z_1}}+\frac{B}{\sqrt{Z_1 Z_2}}-C\sqrt{Z_1 Z_2}-D\sqrt{\frac{Z_1}{Z_2}}} & {2\left(AD-BC\right)} \\{2} & {-A\sqrt{\frac{Z_2}{Z_1}}+\frac{B}{\sqrt{Z_1 Z_2}}-C\sqrt{Z_1 Z_2}+D\sqrt{\frac{Z_1}{Z_2}}} \end{pmatrix} \end{align*}\normalsize

となります。

ここで、相反定理AD-BC=1が成り立つ場合、S_{12}=S_{21}となることを確認しておきましょう。

また特に、両ポートの特性インピーダンスが一致してZ_1=Z_2=Z_0となる場合、

    $$ \begin{pmatrix}{S_{11}}&{S_{12}}\\{S_{21}}&{S_{22}}\end{pmatrix} =\frac{1}{A+\frac{B}{Z_0}+CZ_0+D}\begin{pmatrix}{A+\frac{B}{Z_0}-CZ_0-D} & {2\left(AD-BC\right)} \\{2} & {-A+\frac{B}{Z_0}-CZ_0+D} \end{pmatrix} $$

となります。

無損失回路で相反定理が成り立つ場合のマッチング

上述のように、ポート1、ポート2の特性インピーダンスが異なっていたとしても、相反定理AD-BC=1が成り立つ場合、S_{12}=S_{21}が成り立ちます。

ここで、さらに、無損失という条件を考えてみます。

すると、a_1として入力した波は、反射波としてb_1となるか、透過波としてb_2として出てくるので、エネルギー保存則を考えると、

    \begin{eqnarray*} \left|\frac{b_1}{a_1}\right|^2+\left|\frac{b_2}{a_1}\right|^2 &=& 1 \\ \therefore \left|S_{11}\right|^2+\left|S_{21}\right|^2 &=& 1 \end{eqnarray*}

となります。また、a_2として入力した波でも同様にして、

    $$ \left|S_{22}\right|^2+\left|S_{12}\right|^2 &=& 1 $$

です。右辺が一致しているので、

    \begin{eqnarray*} \left|S_{11}\right|^2+\left|S_{21}\right|^2 &=& \left|S_{22}\right|^2+\left|S_{12}\right|^2 \\ \therefore \left|S_{11}\right|^2 &=& \left|S_{22}\right|^2 \end{eqnarray*}

となります。

この結果から、ポート2側を何らかの方法でマッチングさせて、S_{22}=0とすることができれば、S_{11}=0となるので、ポート1側もマッチングが取れることになります。

まとめ

とても覚えられません。導くのも面倒です。
一度導いた結果を後生大事に使うことにします。

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