FパラメータをSパラメータに変換します。
同様の手順で、ZパラメータやYパラメータもSパラメータに変換できるはずです。
FパラメータからSパラメータへの変換
Fパラメータは、次のように表されます。ただし、
の向きに注意します。
![]()
Sパラメータは、次のように表されます。
![]()
ここで、
は入力波、
は出力波です。これらは、
又は
のディメンションを持ち、二乗すると電力になる物理量です。
パラメータ変換するには、
や
を消したいので、これらを
や
で表すと、ポート1、ポート2の特性インピーダンスをそれぞれ
、
として、
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![]()
![]()
![]()
となります。
(3)~(6)を(1)に代入すると、

となります。
行列のまま計算することもできると思いますが、複雑になるので、成分ごとに計算します。
すなわち、
![]()
と、
![]()
に分けます。
ここで、
を左辺、
を右辺に集めると、
![]()
と
![]()
になります。
これを行列に直すと、

となるので、左辺の行列の逆行列を左からかけると、
![]()
とおいたとき、

となり、

となるので、結局、

となります。
ここで、相反定理
が成り立つ場合、
となることを確認しておきましょう。
また特に、両ポートの特性インピーダンスが一致して
となる場合、

となります。
無損失回路で相反定理が成り立つ場合のマッチング
上述のように、ポート1、ポート2の特性インピーダンスが異なっていたとしても、相反定理
が成り立つ場合、
が成り立ちます。
ここで、さらに、無損失という条件を考えてみます。
すると、
として入力した波は、反射波として
となるか、透過波として
として出てくるので、エネルギー保存則を考えると、

となります。また、
として入力した波でも同様にして、
![]()
です。右辺が一致しているので、
![]()
となります。
この結果から、ポート2側を何らかの方法でマッチングさせて、
とすることができれば、
となるので、ポート1側もマッチングが取れることになります。
まとめ
とても覚えられません。導くのも面倒です。
一度導いた結果を後生大事に使うことにします。





コメント
わかりやすい解説ありがとうございます.計算してみましたが,Δの式が分母だけでいいのではないかと思います.私が間違っているかも知れませんが,とりあえずご連絡いたします.
こちらも参考にしました.
https://ameblo.jp/yuutech/entry-11015131878.html
下塩様
ご指摘をありがとうございます。
記載ミスでしたので、早速訂正いたしました。
今後とも、お気付きの点がありましたらご指摘いただけますよう、お願い申し上げます。