ω = 2πf とはどういうことだろう

周波数fのイメージは掴めても、角周波数ωのイメージが掴めなくはないですか?
僕は、学生時代、ちんぷんかんぷんでした。

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周波数f

周波数fはなんとなくイメージが掴めます。ほぼ糸魚川静岡構造線を境として東が50Hz、西が60Hzなどという話題は、日常茶飯事に出てきます。単位はHz(ヘルツ)です。

略称であるfは、frequencyの頭文字ですね。「しばしば起こること」の意味です。

では、周波数の「周」はどのような意味を持っているのでしょうか?
「ひとまわりする」という意味です。
50年くらい前まではHzではなく、cycle(サイクル)って言っていました。
周波数は、このcycleを訳した日本語だと思います。

じゃぁ、何が回るんですか?
電気なら発電機ですね。

周波数

周波数

発電機が1秒間に回る回転数※が本来のcycle、つまり周波数の意味です。図では2回転しているので2Hzです。

SI単位は、人名で揃えたいらしいので、ヘルツという名称になってしまいました。こうすると、本質が分からなくなってしまいます。

発電された電圧波形を(オシロスコープ等で)観測すると、回転数が波の発生する数でもあることから、合成語として周波数という名前を付けたのでしょう。

※ 発電機の極数によって、回転数と周波数が必ずしも一致しないことを知ってはいますが、説明のために知らないふりをしています。

角周波数ω

角周波数のイメージが掴みにくい理由は、ネーミングですね。
角周波数は「波数」なんて言葉が付いているのに、波の数ではないんです。

角周波数

角周波数

角周波数の定義は、1秒間に回転する角度(ラジアン)です。

それならば、角速度と言う方がよほど分かりやすいです。確かに、角速度という言い方もありますが、厳密にいえば、角速度はベクトルで、角周波数はスカラなんだそうです。(力学において、速度はベクトル、速さはスカラです。じゃ、「角速さ」だっていいじゃないですか)

1秒間に2回転していれば、4π rad回ったことになるので、ω=4π[rad/s]です。
これは、f=2[Hz]と同じ現象を別の観点から示しており、その関係式が、ω=2πfになります。

分かったような分からないようなでしょうか?僕も説明できたようなできないような気がします。

ところで、角周波数のシンボル「ω」は、くるくると回っているイメージから採用されたのでしょうか?遊び心がありますね。

周波数fと角周波数ωが理解しにくかったもう一つのわけ

ネーミングもさることながら、僕が一番戸惑ったのは、ボード線図です。横軸が、ある時はf[Hz]であって、ある時はωだったためです。

これで、全く訳が分からなくなりました。何か違いがあるのかよ。どっちで書けばいいんだよ。気分で使い分けているのか?てな感じです。

ωのボード線図には、単位が示されていなかったと思います。でも、単位[rad/s]があっても意味は分からなかったことでしょう。

ただ、気分で使い分けているという意味では正解です。
本質的には同じなので、周波数に興味がある場合は周波数で示せばいいんです。

例えば、測定器の具体的な周波数帯域を表したい場合は、周波数を使います。628E6 rad/sの帯域といっても訳が分かりませんが、100MHzの帯域なら意味が分かります。

理論的な解析をする場合には、三角関数を使います。三角関数はradianに対する関数なので、角周波数を使うと相性がいいためです。ラプラス変換から得られる伝達関数も、三角関数系統の仲間です。そのため、ラプラス変換後にs→jωの置き換えで伝達関数が得られたような時は、わざわざ周波数fに直すことなく、横軸をωでボード線図を書けばいいということなんですね。

まとめ

最近、ようやく、自分の中で周波数fと角速度ωの関係が腑に落ちました。でも、このイメージを文章で伝えることは難しいです。伝わりましたか?

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