タイトルを見ると、この本を読めば年収3000万が実現できそうです。
でも、当然ながら、読んだだけでは年収3000万を実現することはできません。
著者はおそらく、執筆時に、年収3000万を超えていたのでしょう。「その手法や考え方を余すところなく、紹介するので、その気になって、実行したら、もしかしたらあなたも年収3000万に届くかもね」という想いを込めたタイトルだと理解しました。
3時間で読めば140万円の価値がある?!
本書は、大学受験に関するHowTo本で著名な和田秀樹氏が執筆した、起業に関する本です。
初版発行は平成15年なので、15年も前の本です。でも、考え方について述べている本なので、内容に古さを感じることはありませんでした。
この本の執筆当時、和田氏の講演料は90分で70万円だったとのことです。この本を読むのに3時間かかるとしたら140万円を払ったのと同等の価値があるということですね。
儲ける仕組みを考え続けなければならない
著者の主張は多岐にわたっています。その中で、「付加価値は何かをいつも考えないといけない」とか、「情報を持っているだけでは金にならない。どう金に換えるのか常に考えることが必要」と、儲ける仕組みを考え続けることの大切さを再三説いています。
そのように、常に金儲けを考え、多くのビジネスを成功させている和田氏でさえ、「おびただしいトライアルをしても成功したものは数えるほどしかない」そうです。
そうなると、凡人は、もっとずっと多くのアイディアを出さないと、成功することは難しいということでしょう。また、ちょっとしたアイディアに全財産を掛けて起業するといった愚行もしてはいけないということが分かります。
また、「仮説を立てないと失敗しても教訓は得られない」とも述べています。これは、理系に適する考え方とのことです。著者が掲げる思考ループは次の通りです。
観察 → 仮説 → 試行 → 失敗 → 観察 → ・・・
この本の発売後、PDCAサイクルやOODAサイクルが認知されるようになってきました。
起業に際して、どのサイクルが有用なのか分かりかねますが、今後準備をする中で、それぞれのメリット・デメリットを検討し、自分に合ったサイクルを見つけたいと思います。
結局のところ
いろいろなビジネスアイデアが記されていました。例えば、インターネット古本屋、お年寄り相手の話し相手や旅行の添乗、ワンルームマンションを利用した自習室などです。実践できそうなアイデアもありますが、結局、自分の強みを生かしたい領域においては、自分でビジネスを考えざるを得ません。
ところで、本書の最後に「うまく甘えられる人が成功する」と書いてありました。これに対して、若いころは「周囲と適当に協調して、表面だけでもニコニコしておくことができなかった」そうです。いろいろなビジネスを経験すると性格も変わってくるようです。
和田秀樹:会社にいながら年収3000万を実現する、祥伝社、2003、ISBN4-396-61198-6
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