絵具の青と黄色を混ぜるとなぜ緑になるのか?原理は?

小学校の頃、水彩画で緑を使おうとしたら、ビリジアンを使うか、青と黄色を混ぜて使うか迷いませんでしたか?

でも、青と黄色は補色の関係と言われます。混ぜたら黒にならないまでも、グレーになるはずではないですか?

この記事ではその疑問を解決します?!

一応、論理的に考えて文章を書いたつもりですが、専門書を読んで勉強したわけではありません。間違った点がありましたら、ご指摘ください。

光は足し合わせることができる

まず、光を足すことを考えてみましょう。

光は、赤、緑、青からなっています。

というのは半分嘘で、太陽光は虹が示すように、ほぼ連続のスペクトラムから成り立っています。ただ、人間が光を感じる細胞が赤、緑、青付近に感度のピークを持っているので、光の三原色と呼ばれているのに過ぎません
(赤のピークは少し短波長側にシフトしていますが。。。)

さて、さしあたって、色が赤の光(以下R)、緑の光(以下G)、青の光(以下B)から合成できることとして、これを合わせることを考えます。

R、G、Bを発するLEDをそれぞれ光らせることを考えてもいいですし、R、G、Bごとに用意したスポットライトで白い壁を照らすようなことを考えても良いです。

このとき、光は、いくらでも足し合わせができます。

つまり、LEDを光らせる場合LEDに入力する電流を大きくすることで、発光量を上げることができます。スポットライトで照らす場合も、ライトの台数を増やせば、壁をより明るく照らすことができます。

ただ、人工物では、素子が発生できる明るさに限度があります。また、スポットライトを用意できる台数にもおのずから限度があります。そこで、例えば液晶ディスプレイでは、R、G、Bの上限をそれぞれ255という数値にしています。

これを、式で表すと、第一の色を(R1, G1, B1)、第二の色を(R2, G2, B2)で表されるとしたとき、混ぜ合わせた色(R3, G3, B3)は、

    \begin{align*} R3&=\max\left(R1+R2, 255\right)\\ G3&=\max\left(G1+G2, 255\right)\\ B3&=\max\left(B1+B2, 255\right) \end{align*}

になります。

さて、RとGを同じ比率で足すと黄色になります。これは、簡単に調べられます。

Excelを開いて、「塗りつぶしの色」の右脇の▼をクリックし、「その他の色」を選びます。さらに、「ユーザ設定」をクリックし、赤の値を255、緑の値を255にすると「新規」のところに黄色が得られます。

ついでに青のところも255にすると、白くなります。つまり、これが黄色と青が補色の関係ということです。

白い光

白い光

さらに、赤と緑の補色も調べておきましょう。

Rの補色は、Rを0、GとBを255にしたときに得られます。これは、シアンです。

Gの補色は、Gを0、RとBを255にしたときに得られます。これは、マゼンタです。

以上で、光が足し合わせられることがわかったことにします。これは、加法混色とも呼ばれます。

加法混色

加法混色

光をフィルタに通すと特定の比率で成分が吸収される

次に、色セロハン等のフィルタを通したときを考えてみます。

フィルタを通した光

フィルタを通した光

黄色いフィルタを通して白い光を見ると、黄色いフィルタはBを吸収し、RとGの光を透過させます。次に、黄色いフィルタを通った光をさらに青いフィルタを通して見ると、青フィルタはRとGの光を吸収するので、光は目に届かず、黒く見えることになります。

ここで、一般化することを考えます。

(R, G, B) = (255, 255, 255)という白色光を第1のフィルタに通したとき、(R1, G1, B1)になったとし、白色光を第2のフィルタに通したとき(R2, G2, B2)になったとします。すると、白色光を第1、第2のフィルタに連続して通した場合、先ずはRについて考えると、目に届く光の量R3は、

    $$ R3=255\cdot\frac{R1}{255}\cdot\frac{R2}{255}=\frac{R1\cdot R2}{255} $$

となります。R1とR2が乗算される形になるので、積と表現されることがあります。また、減法混色とも呼ばれます。

減法混色

減法混色

GとBでも同様に考えると、

    \begin{align*} R3=255\cdot\frac{R1}{255}\cdot\frac{R2}{255}=\frac{R1\cdot R2}{255}\\ G3=255\cdot\frac{G1}{255}\cdot\frac{G2}{255}=\frac{G1\cdot G2}{255}\\ B3=255\cdot\frac{B1}{255}\cdot\frac{B2}{255}=\frac{B1\cdot B2}{255} \end{align*}

となります。

絵具を混ぜると面積に応じて反射される

青と黄色を混ぜるとグレーになりそうなものだ

最後に、絵の具の色を混ぜ合わせることを考えてみます。

絵の具は、光を発するわけではなく、また、その中を光が透過するときの色を使うわけでもありません。RGBが絵の具の表面に当たり、それが反射したときの反射光を見るという使い方をします。

ここで、緑色のモノを見る場合を考えてみます。

緑のモノを見る

緑のモノを見る

まず、RGBがバランス良く混ざった白い光が緑色のモノに当ります。

このうち、RとBは吸収され、反射されたGの光線のみが目に入ります。これにより、ヒトはこの物体を緑と認識します。

余談ですが、植物は、RやBの光は光合成に有用なので吸収して利用します。でも、Gの光は光合成に不要なので、捨てています。この捨てられたGの光を人間は「植物の緑は良いね。癒される」などと称賛している訳です。

閑話休題。

では、青と黄色の絵の具を1:1で混ぜることを考えてみます。

ここで、絵の具は混ぜても特別な化学反応を示さず、細かく見れば小さな青と黄色の粒が残っていることとします。

青と黄色を混ぜるとグレーになる

青と黄色を混ぜるとグレーになる

そうすると、青い粒では、RとGが吸収され、Bが反射されます。

もともとの青一色の絵の具からすると、黄色を混ぜたことにより、専有面積が半分になるので、反射する光の全体量も半分になることでしょう。

また、黄色い粒ではBが吸収され、RとGが反射されます。占有面積を考えると、これらの値も同様に半分になることでしょう。

式で表すと、

    \begin{align*} R3=\frac{R1+R2}{2}\\ G3=\frac{G1+G2}{2}\\ B3=\frac{B1+B2}{2} \end{align*}

となります。これを並置混色ともいいます。

では、青の絵の具として(0, 0, 255)、黄色の絵の具として(255, 255, 0)を代入してみましょう。

すると、(128, 128, 128)となります。言うまでもなく、グレーですね。緑ではありません。どうして?

ぺんてるの絵の具の色を調べてみたら緑色になる!

小学校のとき、使っていた絵の具は、ぺんてる製の絵の具でした。ホームページで調べてみると、「F(エフ)」という名称のようです。セメダインの「C」と同じで、英語1文字の名前のようです。ご存知でしたか?

色サンプルを調べたところ、青は(R, G, B) = (0, 112, 189)、黄色は(R, G, B) = (252, 202, 0)でした。そうなると、並置混色した結果は、(126, 157, 95)、つまり、「7E9D5F」となります。相対的にGの成分が一番多くなり、老竹色(おいたけいろ)とかリーフグリーンといった色に近い緑色になることが分かりました。

並置混色の式の一般化

最後に、絵の具は混ぜる色の量(≒専有面積)の比率を変えることが出来ます。

その比をt:(1-t)~~(0<t<1)で表すことにすると、

    \begin{align*} R3=t\,R1+\left(1-t\right)R2\\ G3=t\,G1+\left(1-t\right)G2\\ B3=t\,B1+\left(1-t\right)B2 \end{align*}

となります。

まとめ

絵の具の黄色と青は、RGBに分解したときに、それぞれ(255,255,0)や(0,0,255)のような純粋な色ではありませんでした。そのため、混色した時に緑の成分の比率がたまたま多くなり、緑色に見えるということでした。

再度の余談ですが、大昔、写真をかじっていたことがあり、リバーサルフィルム(スライド用のフィルム)は、ネガフィルム(普通に売られていたフィルム)より色再現性が良いという話を聞いていました。この記事の絵を書いていて気付いたことは、リバーサルフィルムはフィルタの例のように透過光を見ており、ネガフィルムから印画紙に焼き付けた写真は反射光を見ているという違いです。この違いの故に、色再現性が変わってくるんですね。多分。

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