電車内で人が倒れた!あなたならどうします?

電車に乗っていたら近くで人が倒れた!
あなたならどうします?

経緯

先日の夜、電車に乗っていました。車内は通勤帰りの人で隣の人とは接触しない程度に混んでいました。

ドアに近いところで55歳くらいの男性が突然うつぶせに倒れました。

急なことで、周囲の人はさっと避けてそのまま知らんぷり。2、3人だけが「大丈夫ですか」と声をかけていました。

十数秒すると、意識が戻ったようで、「大丈夫です」と言いながら立ち上がり始めました。

男性は、少し汗をかいているように見えました。ハンカチで額をぬぐっていました。

しばらくすると、駅に止まり、近くのドアが開きました。人の乗り降りはありませんでした。

ドアが閉じかけたとき、再びその人が倒れました。

ドアに手をかけようとしたときには既に遅く、ドアは閉まり、電車は発車してしまいました。

誰かが「非常ボタンを押して下さい」と何度も叫んでいました。押されたかどうかは分かりません。

再度男性の意識が戻ったところで、60歳くらいの女性が席を譲ろうとして、立ち上がりつつあるその人の手を取りました。
しかし、男性は、「大丈夫です」と言って、自力で吊革につかまりました。

都会なので、幸いにして駅間隔は短く、間もなく次の駅に止まりました。

男性は、開いたドアとは反対側に移り、ドアにもたれかかりました。吊革より楽だと思ったのでしょう。でも、降りようとはしませんでした。周囲の人も無理に降ろそうとはしませんでした。

僕は次の駅に着く前に再度倒れるだろうと思い、少々おせっかいだとは思いましたが、人を押しのけてその男性に近付き、無理やり手を引いて下車させました。

案の定、電車からホームを移る際に意識を失って、電車の脇に倒れ始めてしまいました。

寝た子は重いといいますが、意識のない小太りの男性はとんでもなく重たいです。

幸い、ホームにいた人が手を貸してくれて、ホームの中央付近まで運ぶことができました。

ほどなく、駅員が2人やってきました。

片方の駅員が、「大丈夫ですか」と声をかけ、男性は「大丈夫です」と答えました。駅員は「駅の中に休むところがありますから、そこで休みましょう」と提案していましたが、経緯を見てきた僕は、救急車を呼ぶことを主張しました。

すると、もう片方の駅員から「あなたはお知り合いの方ですか?」と聞かれたので、「いいえ」と答えたら、「あとは我々が引き継ぎます」と言われました。

駅員は、僕が帰宅途中であることを想定し、親切心で言ってくれたことだと思います。

そう言われると、面識の無い人間が「一緒に居ます」とも言えないので、男性には「お大事に」と言って、その場を離れました。男性は「ありがとうございました」と言ってくれました。

後から、駅員に車内での状況を伝えておけば、救急車の要否をより適切に判断できただろうと反省しました。

今回の出来事から考えたこと

倒れた人がいて、周囲に人がいなければ、十中八九の人は、救命訓練の経験がなくても、心肺蘇生法のまねごとをすると思います。

救命訓練の経験がなかった頃、そのような事態に遭遇し、まねごとをしたことがある僕の実体験からそう言えます。

でも、周りに人がいる場合には、誰かがやってくれると思い、自分がしゃしゃり出ていく必要はないと考えてしまいがちです。

今回の場合、誰かが男性の面倒を見てくれるだろうと、初めは僕も静観していました。

しかし、彼がこのままでは電車を降りそうにないと感じたとき、行くしかないなと思いました。彼が降りなければ、周囲の人々は落ち着くことができないで迷惑ですし、彼自身も辛いはずです。

行く決断ができた要因の一つに、救命講習会を受けたことが挙げられます。数年前に、救命講習会を受けて、AEDを使ったり、心肺蘇生法を経験したりしていました。

講習会では、そのような技術面の経験に加え、大きな声を出して、周囲を巻き込む経験をしました。これが大きかったです。人の命がかかっている場合に、恥ずかしがったり、躊躇したりしないことを学びました。

先般、土俵の上で人が倒れたときに、女性が心臓マッサージをすることで助かった事例がありました。日頃の職務を通じた訓練により、自然に体が動いたのでしょう。本当に彼女たちは素晴らしい行動をされました。

今回の件では、僕が現場を離れた時の男性の意識ははっきりしていて、僕が行動を起こそうが起こすまいが、大事には至らなかった可能性はあります。

ただ、僕にとっては経験値が1つ上がりました。次回、同様な場面で、行動を起こすための心のハードルはかなり低くなりました。近いうち、再度救命講習会を受け、救命技術を維持させたいとの思いも新たにしました。

あなたも近隣で開かれている救命講習会に参加されてはいかがでしょう?思わぬところで人を救うことができる可能性があります。

参考

人工呼吸は心理的負担が大きい救命活動です。そのため、現在は、人工呼吸をしなくても、心臓マッサージをすれば良しとされています。ただし、AEDセットの中には人工呼吸用のマウスピースが入っていて、これを使えば心理的負担なく人工呼吸ができます。救命講習会ではこれらのことも教えてくれます。このような知識は、もっと大勢の人が知っていて良いことだと思います。

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