高周波技術の基本であるインピーダンスマッチングとは何か?その成立条件は?

高周波を取り扱おうとすると、二言目には「インピーダンスマッチング」(以下、マッチング)という言葉がでてきます。
それって何?どうすればマッチングできるの?

なぜマッチングが重要なのか

高周波では、電力という形で情報を伝えます。

それならば、電力を最大の効率で送りたくなりませんか?
そうすれば、要求される増幅度は最低限ですみ、ノイズにも強くなります。

この、電力を最大効率で伝えるための理論的な条件及び状態がマッチングです。

マッチングの条件を計算してみましょう

理想的な電圧源にはインピーダンスがありません。でも、現実的な信号源には、不可避であるにせよ意図的であるにせよ、インピーダンスがあります。

マッチング

マッチング

信号源インピーダンスのうち、抵抗分をR、リアクタンス分をXとします。

これに抵抗分r、リアクタンス分xの負荷を付け、rで消費される電力を最大にすることを考えます。

全体のインピーダンスは

    $$Z=(R+r)+j(X+x)$$

です。したがって、この系にに供給される電力Pは、

    $$P=\frac{E^2}{Z}=\frac{E^2}{(R+r)+j(X+x)}=\frac{E^2\{(R+r)-j(X+x)\}}{(R+r)^2+(X+x)^2 }$$

となります。この実部が抵抗分で消費される実効電力です。
実効電力をRとrで按分することにより、rで消費される電力Prは、

    $$P_r (r,x)=\frac{E^2 r}{(R+r)^2+(X+x)^2 }$$

となります。Prをrで偏微分すると、

    $$\frac{\partial P_r (r,x)}{\partial r}=\frac{E^2 ((R+r)^2+(X+x)^2 )-E^2 r\cdot2(R+r)}{\{(R+r)^2+(X+x)^2\}^2} =\frac{E^2 (R^2-r^2+(X+x)^2)}{\{(R+r)^2+(X+x)^2\}^2}$$

となるので、

    $$\frac{\partial P_r (r,x)}{\partial r}=0$$

としてPrの極大値の条件を求めると、

    $$r>0$$

を考慮して、

    $$\begin{equation}r=\sqrt{R^2+(X+x)^2} \label{eq:test}\end{equation}$$

となります。
またPrをxで偏微分すると、

    $$\frac{\partial P_r (r,x)}{\partial x}=\frac{-E^2 r\cdot2(X+x)}{\{(R+r)^2+(X+x)^2\}^2}$$

となるので、

    $$\frac{\partial P_r (r,x)}{\partial x}=0$$

としてPrの極大値の条件を求めると、

    $$\begin{equation}\setcounter{equation}{2}x=-X \label{eq:test}\end{equation}$$

が得られます。これを(1)に代入すると、

    $$\begin{equation}\setcounter{equation}{3}r=R \label{eq:test}\end{equation}$$

となります。つまり、(2)と(3)を同時に満たすときにマッチングがとれたといい、このとき、Prは最大値を持ちます。この値を求めると、

    $$P_r(r,x)_{max}=P_r(R,-X)=\frac{E^2 R}{(R+R)^2+(X-X)^2 }=\frac{E^2}{4R^2}$$

となります。

まとめ

回路のリアクタンス分を0にして、信号源の抵抗分と同じ値の抵抗を付ければ、最大電力が得られることが分かりました。

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